論文物語 ① ライティングリトリートにいってみた

こんにちは平田です。最近めっきり暖かくなりました。

 

 

旦那氏がせっせとお世話をしてくれている桜の花が一つ咲きました!

今日は北海道大学の入試ですね!皆様が力を出し切れますように!

 

 

 

 

 

 

 

 

〜論文物語 第一話〜

 

 

現役歯科医研究者にとって、論文への道のりでまず立ちはだかるのは、

 

 

一体いつ書くんや!?!?!?!?!?

 

 

ってとこですね。 

 

 

 

さあ、論文を書く!誰が何と言おうと書く!書いて書きまくるぞ〜今日は!(鼻息)

ちょっと診療もね、早く終わったのでね!早速ワードを立ち上げて、、、と

 

 

 

 

  

 

PHS:ぷるるる~ぷるるる~

受付:「先生、□□さんが、入れ歯がわれたとご連絡です」

私:「!!!なおします。。。」

 

PHS:ぷるるる~ぷるるる~

技工部:「先生、マージンみえないんですけど。。。」

私:「す、す、すみません!再印象します!泣」

  

コンコン(ノック音)ぴっぴぴぴ(テンキー音)がちゃ

院生K君:「せ、せんせい」

私:「はい!?」

K君:「かくかくしかじか…で、固定した細胞ごとポリタンクに入れちゃいました!」

私:「!?????なんで!!???」

 

コンコン(ノック音)ぴっぴぴぴ(テンキー音)がちゃ

院生X君:「センセイ、培養皿になんか塊みえマス」

私:「ん!?いまいく」

(顕微鏡確認)「こ、これは!!!!」

「かびはえてるやで!!!」

 

コンコン(ノック音)ぴっぴぴぴぴいい(テンキー音)ぴいいいいい(エラー音)

 ぴっぴぴぴぴいい(テンキー音)ぴいいいいい(エラー音)がちゃんがちゃん

私:(とびらをあける)

教授:「平田はいるか!?」

私:「わたしは平田です。」

教授:「◯◯(居酒屋の名前)は、病院でたとこの通りだよな!?」

私:「そ、そうですけど!?」

ガチャ(扉クローズ)

私:「?????」

 

 

 

あれ!?今何書こうとしたたんだっけ???

 

 

 

 

あ、そうだ、その前に、学会の会計の出納帳を作って、あ、採点もしなくっちゃね、◯◯センセイにメールの返事しなくちゃ、あ、そういやあれ発注しなくちゃ、これは出来るだけ早くやらないといけない仕事だから、、、と

 

 

〜そして20時すぎ〜

 

 

う!お腹も空いたし、おやつの干し芋もつきたし、今日はかえろ!明日から書くんだ!大丈夫!明日こそ書ける!

 

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干し芋はコーヒー紅茶お茶どれにでもあう最高のおやつ。
 

襲いかかる着信音!

予測不能な院生!

途切れない用務!

途切れまくる集中力!

締め切りがない仕事!

RONBUN! Yeah

RONBUN! Yeah

 

 

※以上繰り返し

 

 

「今日出来る事を明日に延ばすな、明日やることを永遠に延ばす事になる・・・」

 

確か、小学生のとき通ってた塾でもらった消しゴムに書いてあった格言。

 

 

 

それな!!

 

 

 

こうして、論文は永遠に書けないのであった…チーン(キートン山田風に)

 

 

 

 

うおおおお!!!!じゃなくって!なんとかしたいんですよ!!!

 

 

 

 

って思ってたある日のこと、、

 

こんなお知らせが目に飛び込んで来た!

 

 

これよこれ!執筆のための塊の時間!それが欲しいんですよ!塊!しかも個別相談付きですってよ。

 

 

光の早さで申し込み、、

 

 

2018年3月某日…

 

 

北キャンパス上陸!ゴ、、、ゴ、、、ゴ、、、

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論文リトリートに参加してみました!

 

 

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席はこんな感じに分けられていて、お互いの距離は遠くて気にならないけど、皆さんが集中して執筆しているので、絶対に負けられない戦い!(※誰も戦ってはいない)

しかも、常に隣の部屋にはお茶とお菓子があってですね、もうここは天国かと。。

 

 

そして、お待ちかねのワンポイントアドバイスのコーナーです!

 

事前にアブストラクト(概要)とタイトルを送ってあります。それを英文校正会社のネイティヴ講師(博士号持)さんが、細かくアドバイスくださるんですね。もちろん質問もOK!

 

 

 

マウスの頭蓋部に、近赤外光(NIR)で発光するカーボンナノチューブを埋入して、体内分布を見たよ、っていうのがメインの内容なんですけど、

 

 

当時の私が考えたタイトルがこちらでした。

"Biodistribution of carbon nanotubes after local implantation of mice"

 

 

わたし:タイトルどうですかね?ちょっとインパクト無い感じですよね〜(一応英語)

講師:え〜と、、、ナノチューブをマウスに埋めてるんですよね?

わたし:そうですよ!こういう感じっす!

 

 

 

講師:"Biodistribution of carbon nanotubes after local implantation of mice"だと、、、

 

 

 

 

 

 

こうですね、

 

私:爆!!!!!

 

マウスを埋めることになっちゃってるYO!!!!!

 

 

 

あぶないあぶない!わけわからんタイトルになっちゃうところでしたわ。

 

そんなこんなで、いろいろタイトル候補も相談させてもらい、

"Fate of Carbon Nanotubes Locally Implanted in Mice Evaluated by Near-Infrared Fluorescence Imaging"

に決定。NIRで体内分布を観察した他にも、電子顕微鏡で細胞内のカーボンナノチューブも観察していたため、Fate=運命、という単語を使用してみました。

 

 

 

タイトルを決める時に、こうしてNativeにあれこれ相談できる機会があればよいのですが、無い場合、単語の使用法がだいたい合っているかを確認する方法があります。

 

 

それは、

 

 

ググる

 

 

たとえば、今回使用した"Fate"ですが、"fate of ~"でgoogle scholarで検索すると、結構でてきます。Pub Medや他の検索エンジンでもチェックしてみると良いかもしれません。実はもう一つ候補があったのですが、その単語でも検索して、それらの研究内容と比較してみて、適切かどうかを判断できますし、良く使用されていると信頼度も高いかもしれません。

 

 

ちなみに、"implantation of mice"で試しに検索してみましたが、、、

 

 

 

有能なグーグルセンセイは、"implantation in mice"に親切変換してくれてました。。。

 

 

 

そして、この後、このタイトルはさらに進化をとげるのですが、それはまた後日。

 

 

 

そんなこんなで、3日間、会議と実習以外はリトリートに参加して、ほとんどの文章を仕上げた私。

 

 

 

え???3日間で普通書けんやろ!?

 

 

 

というご意見あるかと思いますが、、、一部は書いてあったのですよね実は。

 

 

 

そして、短かったんですよ、、、。

 

 

 

そう、当初は、、、、。

 

 

 

 

次回へつづく。

 

次回予告:どうしても時間がない歯科医が書いた論文は短い。